バイクのレストアについて

バイクのレストアでは何をする?

レストアは「restore・元通りにする、復元する」という意味です。
レストアの目的はその言葉の意味通り、主に年月の経過などで部品が劣化したり壊れてしまったバイクを「元通り走れる状態に復元する」ことにあります。
内部部品の修理や交換だけでなく、ボディの再塗装やシート・ダッシュボードの交換、エンジンなどの重要部品の機能回復もレストアの範疇です。

英単語自体は「元通りにする」という意味ですが、ペイントの塗り直しでは中身だけでなく、見た目ごと生まれ変わらせることもあります。
一部だけでなく、バイクを全体的に修理・交換や塗装のし直しをする時は、「フルレストア」という言葉を使います。
中古販売店などで「フルレストア済」と書かれていた場合、その車体は「全体をレストアして、乗れる状態にしたバイク」ということになります。

レストアとオーバーホールとの違い

車体の修理を目的とする単語にはもう1つ「オーバーホール」があります。
「overhaul・全体的に見直す」という意味で、こちらも実際の作業としてはレストアと同じ部分もあります。
しかしオーバーホールは修理・交換よりも点検・メンテナンスという意味合いの方が強く、その結果として修理が必要な工程が見つかることもあります。

レストアが最初から修理交換を目的としているのに対し、オーバーホールは定期的なメンテナンスという意味合いです。
「古いバイクを新車のように蘇らせたい・新車のように走れるようにしたい」のならレストア・フルレストア、「今使っているバイクに不調があるので確認・修復してほしい」時にはオーバーホール、これがこの2つの単語の使い分けイメージです。

バイクをレストアする時の注意点

バイクをレストアする時には、いくつかの注意点があります。
まず「コスト面」で、特に車体全体の塗装から部品交換まで手掛けるフルレストアでは、時間や費用のコストが新車を買う時よりも高くなってしまうケースがあります。
これは旧型車に多く、既に販売されていないパーツをオリジナルで製造する必要がある、通常の修理よりも多くの工程や部品が必要になります。
またそれを手掛ける業者も、専門的な技術や知識が必要になるので、期間は半年から数年かかってしまうこともあります。

さらに、「旧型車の味わいが失われる」ことも問題です。
再塗装では元々の塗装をはがす必要がありますが、古いバイクは現在では手に入らない塗料を使用されているケースが少なくありません。
綺麗にはなっても、完全にその旧型車が新品だった頃の色合いと一致しない、また経年したからこその風合いが無くなる可能性もあります。
長年連れ添った今の状態の外見が気に入っているという人は、フルレストアを頼む前に塗装については綿密に相談しておきましょう。