緊急時には手持ち工具が重要
整備工場などでバイクのメンテナンスを行う場合は、全ての工具が十分に揃っている状況なので、何も困ることはないでしょう。
しかり、ロングツーリングなどに出かけた際に、自分や友人のバイクに不具合が生じたときに、手持ちの工具でどこまで臨機応変に対応できるのかもバイク整備士の腕といえます。
ツーリングに出かけると道路状況や気候条件などによって、緊急事態に遭遇する可能性が多くなります。
緊急時に持っておいた方がよい工具や予備パーツは、ある程度コンパクトにまとめることができて、シート下やバッグの中に収まるものでなければなりません。
多種多様な工具が揃っていれば安心ではありますが、燃費や走行時の微妙なバランスにも影響するものであるため、あまり量を積み込むことはできません。
したがって、遭遇する事態を想定したうえで、最低限の工具で対応できるよう、アイテムを絞っておく必要があるでしょう。
電気系のトラブル
バイクは、シンプルなものから精密なものまで、さまざまな電気部品を組み合わせて動くものであるため、電気的なトラブルは起こる可能性が高くなります。
ターミナルのゆるみにはプラスドライバー、電球の球切れには予備の電球などを準備しておく必要があります。
また、バイクの常備薬と言われるヒューズは、特に切れやすいものであるため、予備パーツを積んでおくことは忘れないようにしましょう。
ハーネスなどの断線も起こりやすいので、予備の電線とともに、カッター、ラジオペンチ、絶縁テープなどのパーツも必要です。
断線の対応では、つかむ、かしめる、切るといった作業をストレスなく行えるラジオペンチがあるといいでしょう。
「DAYTONA パワーグリップラジオペンチ200mm」は、初心者でも安心して使えるアイテムであり、価格も2300円程度で購入できます。
パーツ破損のトラブル
二輪でバランス感覚が必要となるバイクは、ちょっとしたことでバランスを崩して転倒していまいがちです。
自動車もそうですが、部品は硬すぎると人体への影響が大きくなるため、簡単に破損するパーツが多く使用されています。
ウィンカー、ミラー、ブレーキレバー、ステップなど、破損したり曲がったりして使えなくなってしまうものも少なくありません。
転倒事故などによる破損はトータルメンテナンスが必要となりますが、少なくとも自宅や近くのガソリンスタンドなどまでは、走行できるよう応急処置をする必要があります。
予備の両レバーやバイスロックがあれば、レバー、ステップ、ペダルの損傷に対応できます。
4200円程度で購入できる「BAHCOバーコ:万能バイスプライヤー」があれば、チェンジペダルを失った場合、破損したべダルを撤去して、バイスロックをシフトロッドにしっかりとロックして取り付けることができます。
針金とタイラップで固定することによって、さらに安心してペダルとして代用することができるでしょう。
最低限、生還するための予備パーツ、アイテムはツーリングの前には、必ずチェックするようにしましょう。