バイク用インカムの選び方とおすすめモデル

接続方式と選び方の基準

ソロツーリングでの音楽鑑賞から、マスツーリングでの賑やかな会話まで、バイク用インカム(インターコム)は今やライダーの必須アイテムとなりつつあります。
しかし、機種によって通信方式や性能が大きく異なるため、安易に選ぶと「仲間と繋がらない」「雑音で聞こえない」といったトラブルに見舞われることもあります。

まずはインカム選びの根幹となる接続方式の違いを理解し、自分の利用スタイルに合ったスペックを見極めることが重要です。

Bluetooth接続とメッシュ通信の違い

現在、インカムの通信方式には大きく分けて「Bluetooth接続」と「Mesh通信」の2種類があります。

従来からあるBluetooth接続は、1対1のペアリングを数珠繋ぎにしていく方式です。
比較的安価なモデルに多いですが、接続手順がやや複雑で、グループの先頭や最後尾のライダーが離脱すると、全員の通話が切断されてしまう弱点があります。

4人以下の少人数や、タンデムでの使用がメインの方に向いています。

一方、最新のトレンドであるMesh通信は、網の目のように全員が相互に繋がる方式です。
ペアリング作業がほぼ不要で、ボタン一つで近くのライダーと自動的に繋がることができます。

誰かが電波圏外になっても他のメンバーの通話は維持され、戻ってくれば自動で復帰します。
6人以上の大人数や、頻繁に隊列が変わるマスツーリングを楽しむなら、迷わずMesh対応モデルを選ぶべきです。

通信距離とバッテリー性能の確認

カタログに記載されている「最大通信距離」も重要な指標ですが、これは障害物のない直線での理論値です。
日本の峠道や市街地では、実際の通信距離は半分から7割程度になると考えておくのが無難です。

グループツーリングでは信号待ちなどで隊列が伸びてしまうことがよくあります。
そのため、実用距離で少なくとも500m以上、できれば1km以上のスペックを持つモデルを選ぶと安心です。

また、一日中走り続けるツーリングではバッテリーの持ちも死活問題です。
連続通話時間が12時間以上のモデルであれば、休憩中の充電なしでも一日安心して使い倒すことができます。

代表的な人気メーカー・モデル比較

インカム市場には多くのメーカーが存在しますが、接続の互換性や信頼性を考えると、利用者が多いメジャーブランドを選ぶのが正解です。
ここでは特に人気の高い3大メーカーの特徴を解説します。

国内シェアNo.1の安心感「B+COM」

日本のサインハウス社が展開する「B+COM(ビーコム)」シリーズは、圧倒的な国内シェアを誇ります。
「SB6XR」などのハイエンドモデルは、日本語による音声案内や、直感的に操作できるボタン配置など、日本人の使いやすさを徹底的に追求しているのが特徴です。

音質の良さにも定評があり、会話も音楽もクリアに聞こえます。
何よりユーザーが多いため、ツーリング先で出会った人と「とりあえず繋ぐ」という場面で困ることが少ないのが最大のメリットです。

B+COM同士の接続安定性は非常に高く、初心者にも最初の一台として強くおすすめできます。

大人数通話の最適解「SENA」と「Cardo」

世界的なシェアを持つ「SENA」は、Mesh通信技術のパイオニアです。
「50S」や「30K」といったモデルは、大人数での接続安定性が群を抜いており、数十台規模のツーリングでも途切れることなく会話が可能です。

他社製インカムとも繋がりやすいユニバーサル接続機能も優秀です。

一方、音質に徹底的にこだわりたいライダーに支持されているのが「Cardo」です。
音響メーカーのJBLと共同開発したスピーカーを搭載しており、走行中でも迫力ある重低音を楽しめます。

また、「PACKTALK EDGE」などは完全防水レベルの防塵防水性能を持っており、突然の豪雨でも故障の心配がありません。

インカムを120%使いこなす活用術

インカムの役割は、仲間との通話だけにとどまりません。
スマートフォンと接続することで、ツーリングの安全性と快適性をさらに高められます。

最も便利なのがナビアプリの音声案内です。
画面を注視しなくても「300メートル先、右方向です」といった指示が耳元で聞こえるため、視線を前方から外すことなく安全に走行できます。

また、SiriやGoogleアシスタントを起動すれば、走行中に「近くのガソリンスタンドを教えて」「家に電話して」といった操作を声だけで行うことも可能です。

ソロツーリングの時はお気に入りの音楽やラジオを流して気分を上げ、グループツーリングでは危険箇所の情報を共有し合う。
インカムは単なる通信機器ではなく、バイクライフを豊かにする最高のパートナーとなるはずです。